2007年12月20日木曜日
稽古納め 12/19
というわけで、今日は今年最後の稽古となりました。
本日は、いつもの剣好きメンバー、H田先生、S村先生、W田さん、加えてローカル2名と稽古しました。自分の中ではかなり手ごたえのある攻めを見せることができ、一年を締めくくるには満足のいく稽古でした。
ところが・・・。
稽古後、S村先生のお宅で忘年会。そこで、S村先生より、「合わせに行くような稽古になっている」とのご指摘。
「合わせてる」、つまり後の先が中心で、先の攻めが欠けていると解釈しました。本人にそんなつもりはなく、むしろどんどん先をかけているつもりですが、これは単なる自己満足? これじゃまずいと反省しつつ、この自分の意思とのギャップについてもう少し研究してみます。
いやー、剣道は深い。今年は本当の剣道の世界に一歩踏み入れました。来年もこの調子で悩みながら、少しでも向上すべく精進します。
2007年12月17日月曜日
トーナメント
こちらは賞品の数々。有段の部の優勝者には胴も与えられます。でも、悲しいかな持ち回りなので半年間のみ有効です。
目を引いたのは、賞品となった金銀の楯。ユニークな絵柄は、事務局長のWさん自らお描きになったものです。
さて試合のほうですが、有段の部ではバンドンの主将であるNovanさんが順当ともいえる優勝。
男子無段の部は、ジャカルタ・バンドンの稽古熱心なメンバーが殆ど有段となっているため、半数はスラバヤからのメンバー。優勝、準優勝ともスラバヤメンバーとなりました。このコートの審判を努めましたが、目立ったのはまだ基本的な礼式について知らない選手が多く見られました。
よく見ると垂れネームには、「鮫竜」と書いてあります。聞くところでは、スラバヤの語源は「スロ(鮫)」と「ボヨ(鰐)」でスラバヤの市章になっているらしい。明らかに関係ありそうです。でも鰐でなく竜なのはなぜ?聞くの忘れました。
全員で写真撮影。なんとピンボケ。来週日本に帰国なので、一眼レフカメラを購入します。
この日もう一つのニュースは、また新たに日本人メンバーが加わったことです。Sさん五段。実はSさんとは東京にいた際、実業団剣道で交流があり稽古及び酒を飲み交わした間柄です。出身も福岡の隣の地区の高校。
さて、トーナメント後の稽古。スラバヤからのメンバーも大勢いる中、元立ちでインドネシア剣士を相手の稽古でした。時間も押していたので日本人との稽古ができず若干消化不足気味で面ととろうとしたところ、M先生より、最後に一本Sさんとお願いしてはとのこと。
Sさんとの稽古内容は反省点ばかりでした。概して攻めていると思っているものが全然効いてなく、相手の剣の中心があまり動いてなかったですね。結果、思い切りのいい打突もなし。
正直、初めての相手(正確には数年前一度だけ稽古していると思いますが)に対して打たれたくないという色気がありましたね・・・。これが攻めが効かなかった大きな理由ではなかったでしょうか。
前に剣道の本質、攻めの重要性について書きましたが、やはり「言うは易し、行なうは難き」。
2007年12月13日木曜日
剣道の理念 12/12の稽古
Following I was commented by K sensei that my process of attack (SEME) is getting better, I deliberated what is important for Kendo, referring to the books I read recently.
何をしなければいけないか、何をやってはいけないか。どういう剣道が良くて、何が悪いのか。どういう稽古をしなくてはいけないのか。正直これまでは、中心を取るとか、下がっちゃいけないとか、受けに回っちゃいけないとか、攻めが無いといけないとか、当てるだけじゃいけないとか、なんだか分からないけどそれがいい剣道なんだ、そうすれば立派に見える、なんていう漠然とした剣道観で稽古していました。
What kind of Kendo is admirable? What kind of practice is valuable? To be honest, I had a policy but that was quite vague image. Keep a shinai center, don't step back during fighting, have a process before an attack, or hit with a completion of KIKENTAI,....etc I knew that was the good kendo but I didn't know why.
「剣道の理念:剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」
"The concept of Kendo is to discipline the human character through the application of the principles of the Katana (sword)", according to the All Japan Kendo Federation.
今まで気にしていなかった「剣の理法」という言葉に大いに意味があったようです。つまり「刀剣による攻防の理法」。これを心がけることで生死を賭けた心の修行ができ、人間形成に繋がるというのです。竹刀を真剣に見立てるがゆえに出来る心の修行、例えば克己・平常心・敬愛などなどがあるというのです。自分の中でようやく剣道と人間形成が繋がりました。
I've just realized that "Katana (sword)" is the key word. Only by considering a shinai to be a sward, we could see a matter of life and death. Because we deliberate such a matter of life and death, we could discipline our spirit. Finally I have been able to associate Kendo with human character.
そもそも、剣道がよからぬ方向つまり心を無視した競技に走らぬよう制定された理念であるから、逆を考えると、努めなければならないのは生死を賭けた心の修行を伴った稽古、これを怠ってはいけないということ。
Originally, this concept was established to prevent Kendo from going sports match without such a matter of life and death. Again, all we have to do is practice with consideration of such crisis.
話は稽古の方法に戻りますが、試行錯誤の末なんとなく最近理解してきた攻めの重要性というものが、ここで明確になりました。つまり竹刀を刀とみなし、その恐怖に対し自己に打ち克ち、相手の心を動かした攻めで無ければ意味を成さない。打った打たれたは二の次で、相手の心を動かしたか否か。一度打ちに行ったら捨て切れているか。相手をハッとさせたか、ヒヤッとさせたか、ゾッとさせたか、自分はそうしなかったか。などなど・・・・。
Now, back to the topic of the keiko. As the result of my struggling in the recent keiko, I've realized the importance of process of attack (SEME). It is no use hitting an opponent without the SEME. We have to makes the opponent surprised, scared, or puzzled with proper SEME. Also, once we decide, we have to go at all the risk of our life.
本日の稽古でM先生が全く同じ内容のことをおっしゃっていました。「相手の刀が動いていないのに向かっていくのは自殺と同じ」
M sensei told us the same thing in the keiko today. It would be suicide if you went to an opponent although a sword is kept at your throat.
こんなことも分かっていなかったのかと恥ずかしい気にもなりますが、この”気づき”を大事にしたいです。おそらく先生からや本だけで見聞きしただけでは、「竹刀を真剣と思って・・・うーん。」としっくり来ずに終わってたと思います。むしろこれまでは、そんな理法に関する本など見たこともありませんでいたが・・・。ここ最近自分に何が足りないのが試行錯誤しながら稽古するうちに、心の動きの重要性を実感し、それがこんな形で剣道の理念を多少なりとも実感できるに至ったと思っています。
一方、稽古で体を動かすだけでなく勉強することの効用を痛感しています。因みに今は堀籠敬蔵範士の「剣道の法則(元は剣道時代に連載だったらしい)」を読んでいます。
昇級・昇段審査 in Jakarta
いつも稽古に参加している主要なローカルメンバーは、先日のバンコクでの審査で正式な弐段・参段を取得してますので、主な受審者は防具を着けていない初心者や日本人の小中学生でした。
人数もバンドンの際とはうって変わって少人数。全受験者で20名くらい。今回の審査員は七段3名、六段1名、5段2名の構成でした。
いつの審査会も、ほのかに感動させられるのが発表の瞬間です。
高段の審査ではないので落ちることはめったにありませんので、一喜一憂といっても「憂い」のほうはさほど見受けられません。そんな中、発表を聞いた瞬間の皆の喜び具合を見るのがちょっとした感動です。自分の審査も思い出します。
さて、審査会の後稽古をしました。K先生のところに稽古後にご挨拶に行ったところ、「以前、近かった間合いが改善され、遠い間合いからの攻めが見られるようになった。攻めにも気持ちが乗って、伝わるようになった。」と評価頂きました。まさにここ最近心がけていることが実を結んでいると素直に喜んでいます。「更に向上するためには、攻め合いの中で苦しくても絶対に下がらないようにすること」とアドバイス頂きました。
確かにK先生が来られた今年4月頃は、何の攻めのプロセスもなしにいきなり近間で早く当てることばかりに終始していました。
2007年12月11日火曜日
稽古12/5, 8
改めて、現在の稽古環境の良さを実感しています。一箇所の稽古場でこれだけ力のある先生方に囲まれるのは、日本でもそんなには無いことだと思います。先生方もいつかは日本に戻るでしょうし、自分自身もいつまでなのいるのか分かりませんが、この恵まれた時期にできるだけ稽古し、教わるべきものしっかり習得しておきたいと思うこの頃です。
さて、稽古のほうですが、「先」、「攻め」を常に意識しながら稽古するようにしています。
12/8の稽古では久しぶりにビデオ撮影を行いました。
フォームの問題ですが、どうも気になる点がでてきました。S先生との稽古を収録したビデオで気づいたことですが、踏み込み足について。S先生の場合、面打ちの際、常に打突の瞬間に足が地に着いています。一方私は、手が部位を捉えた後、一瞬遅れて足が着地する面打ちが基本です。
手足の一致が冴えを生むことは間違いないのですが、必ずしも全ての選手がピタッと一致するわけでは無く、むしろ写真等では高段者の先生でも、手が一瞬先に部位を捕らえている映像をみます。そういえば1月号の剣道時代では、大体大の神埼先生が、飛び込み面の場合は「手が一瞬先」、相面の場合は「手足一致」という理論を提示されていました。
もしや、私が飛び込み面スタイルで打ち込んでいっているところを、S先生は意識的に相面スタイルで打ち込んでいるのでしょうか?或いはそもそも全てのうちがそういうスタイルなのか?
フォームとはいえ、結果的には打ちの強さ、冴えに影響を及ぼしますので研究します。
いずれにしてもS先生によく打たれました。
2007年11月23日金曜日
合格率 & 11/21, 24, 25の稽古
合格率また10%切ってました。9.5%だそうです。前回の夏季審査会も厳しい合格率だったけど、このあたりの厳しい水準で落ち着くんでしょうか。これまでの合格率調査してみました。
改めて数値を見ると、意図的と思われる程順調な下がりっぷりですね。(因みに19年度分はこれから行われる東京審査会が含まれていません)
I've realized that the rate is getting down linearly as if it was planed on purpose. (Note: The coming examination in Tokyo is not included in 2007.)
さて、稽古のほうですが、稽古熱心メンバー'sのうちH先生、S先生が八段審査会の為に帰国して以来、ここ1週間メインの稽古相手は東京で六段を受審されるWさんです。二人っきりのマンツーマン稽古もありましたが、そこで改めて自分の持久力のなさを思い知った次第です。息が上がってゼイゼイ言っている自分を尻目に先輩であるWさんはケロッとしてます。そういえばH先生と稽古お願いしているときもよく感じます。よってこれからは、基礎体力増強のため、日々の運動を行いたいと思います。
Now, I have been practicing mainly with W san, who plans to try the six-dan examination in Tokyo next week, since the other Kendo obsessions, H sensei and S sensei left for the eight-dan examination. In the keiko on 24th, I realized that I'm short of stamina. After the keiko, I was puffing and panting, while W san looked as if nothing happened. I can remember that I felt the similar condition when I did keiko with H sensie, who also has amazing stamina for his age. So, I've decided that I'm going to have necessary exercises to improve my stamina.
Wさんにおかれましては、こんな厳しい数値の中ですが、何としても合格してほしいものです。
I'm looking forward to hearing a good news from W san, although the recent condition of the examination is formidable.
2007年11月21日水曜日
JJC 個人部会フェスティバル
剣友会からは、小中学生の演舞にて日頃の稽古内容について披露することとしました。
我が剣友会のオール小中学生。
ここではまず、剣道とは何かからご案内することとなりました。「心が大切・・・。面・小手・胴・突きがあり・・・。気・剣・体の一致を目指し・・・。」
2007年11月15日木曜日
昇級・昇段審査 in Bandung
I visited Bandung on 10th and 11th November to hold a Dan & Kyu examination with some practices.
バンドンでも活発に剣道が行われています。昨年まで、日本人学校のM先生(六段)という素晴らしい指南役がいらっしゃいました。彼が去って以降もその教えを引き継ぎ、日本人の先生一名プラス先日弐段を取得しましたローカル剣士が先導しながら活動を続けています。
A number of people is actively playing Kendo in Bandung. The teacher M, who was teaching in the Bandung Japanese School and is a competent Kendo coach, six dan, was leading the local players until last year. Even after he left Bangung, another Japanese five-dan and a local player, who got two-dan recently, took over and maintain the activities.
この地域は大学が多く、剣道人口のを支えているのはその学生たちだということです。本日の昇級・昇段審査も、大学で剣道を始めた約40名もの学生初心者が挑戦してきました。
There are a lot of universities in this region, the students of which has become a major source for Kendo population. In this way, no less than 40 beginners from such universities took the Dan & Kyu exam.
審査はジャカルタ剣友会が主催するもので、FIK公認のものではありません。残念ながらインドネシアはまだFIKに加盟できてませんので・・・。ローカル剣士本人たちもそれは承知ではありますが、審査自体は5段以上6名で実施していますので、今回のように参段までの審査であれば、どこに出してもおかしくないものと自負してます。今回も教士七段2名、六段1名、五段3名という構成でした。
This examination is promoted by the Jakarta Kenyukai, and not authorized by International Kendo Federation (FIK), because Indonesia has not joined FIK yet unfortunately.... The local kendo players are aware of such fact, however, since our judges consist of six persons of five-dan or higer, our Dan & Kyu certifications are, I believe, considered to be equivalent to the official certificate by FIK. We had two seven-dans, a six-dan, and three five-dans this time.
さて、まずは防具を着けていない初心者組。面、小手、胴、小手-面を2本ずつ打突してもらい審査します。一組(3名)が終わるたびに、6名の審査員が集まり意見を出し、基本的には全員一致でもって、与えるべき級を決定していきます。
First, the beginners who didn't wear bougu did their performance. They performed Men-uchi, Kote-uchi, Do-uchi, and Kote-Men-uch twice. Once each group finished their performance, the six judges gathered with their comments to decide a Kyu to be given.
初めて審査員をやらせていただきましたが、とても勉強になりました。上述の通りそれぞれの審査員が意見を持ち寄って最終決定するわけですが、「3人のうち、どの受験者がなぜ、どこが良い(悪い)」というような具体的意見の持ち寄りになります。自分の評価と他の先生方の評価が一致することも多かったですが、たまに違うこともあります。初心者とはいえ、何をどう評価するか適切な判断が必要ですね。評価の基準について自分なりに苦悩しながら判断しましたが、審査終了後にH先生がローカル剣士たちに対して、「九級から八段まで、基本原則は全て同じ。気・剣・体の一致が重要である。」と述べられた講評にシンプルではありますがその基準が集約されていました。
This is the first time for me to be a judge for the examination, thanks to which I've leaned a lot. When we sum up every judge's opinion, each judge need to criticize the candidate logically and specifically, comparing with the other candidates. I've realized the difficulty of judgement and that a judge has to have the proper criteria, which means he has to understand the true Kendo. After all the examination, I was impressed by what H sensei summarized that " The criteria from nine-kyu to eight-dan are same. Our ultimate goal is to make our hitting Ki-Ken-Tai-no-icchi ;Completion of Spirit and Sword and Body".
こちらは、防具組の審査。 2名が参段を受験しましたが、今回は残念ながら見送りとなりました。参段ともなればローカル剣士の中では、指導的立場。ジャカルタでも先日のバンコク審査会で3名の参段が誕生したばかりです。
This is an examination with bougu. Two candidates tried in vain to take three-dan unfortunately. A three-dan is the highest dan of Indonesian players so far and should be a leader of Indonesian players, so they ware judged more severely accordingly.
さて、翌日はヨリス道場での稽古会。なんとメンバーの一員であるヨリスさん、我が家に道場をもっています。いやー、実に羨ましいですねですね。しかも、私が参加するようになって2代目の道場です。2年程前にはここに新築で家を建てたようですが、前宅にも立派な道場がありました。道場が気に入らなかったら家ごと引っ越したのでしょうか・・・・?
こんな立派な4階建てのおうち。 お見事!
ヨリスさん。毎度のことながら、わざわざお出迎えをしてくれます。とても立派な紳士です。
一階にあります道場。 これまたお見事!!
二階には、ちょっとした観覧場所まで設けられる気の使いよう。
さて、稽古のほうはといいますと、日頃我ら日本人に指導を請うチャンスの無いバンドン剣士のために、ちょっと工夫を凝らしたものとしました。
本日はS先生主導による「面打ち」だけの徹底指導!
S先生の分かりやすい解説をもって、左足の引きつけ、間合いの重要性などなどを指導。加えて、6人の日本人に12名のバンドン剣士だったので、1先生2名の少人数指導体制。皆、とても納得顔で非常に上達していました。いい企画でした。
その後、バンドン剣士たちには、一組づつ2分程度の時間で地稽古をやってもらいました。皆に見守られる緊張感と、終了後の先生方のコメントに、これまた彼らにとってはいい勉強になったのではないでしょうか。
その後、皆で稽古して締めくくりました。
2007年11月8日木曜日
稽古11/3, 4, 7
11/3はスカイライン道場で稽古しましたが、踵を痛めてしまいました。先日のASEAN大会での親善稽古会で、連日の硬い床での稽古で少しばかり痛みの兆候があった中、この日の稽古で踏み込みの際に袴の折り目を踏んでしまいました。これまた激痛。
さて、この日稽古時間は14時からでしたが、時刻を同じくして(日本時間では16時)全日本選手権のNHK放送が開始されました。稽古の合間に決勝戦だけ観戦しましたが、正直あまり参考になるような内容はなかったです。なんせ中心を外した防御が多いこと(所謂3所よけの体勢)。あれでは、あーあの人が勝ったんですねというだけで、感動は味わえないです。
11/4のJJSでの稽古は、踵痛により基本稽古だけやって、その後の地稽古は休みました。代わりに初心者指導のお手伝いをしました。
続いて11/7の稽古では、S先生よりありがたいご指摘がありました。剣先が開いているとのこと。ここ最近、”先”だの”攻め”だのにこだわっている割には、その大前提となる中心が取れていないことが指摘されました。気をつけます。尚、本日もS先生には相面にてかなりやられました。原因につき究明中です。
2007年11月2日金曜日
稽古10/27,28,31
ここ3回の稽古で、先を取る攻めの稽古に徹してますが、相手との関係においてもとても引き締まった稽古になったと実感しています。物理的な心がけとしては、相手の竹刀を殺し中心をとるとようにしています。巻く、払う、抑えるなどの竹刀操作により相手の動きを伺ったり、空いたところをそのまま打突することもあります。そうすることで、こちらの僅かな攻めに対しても相手の心が動いてくれるようになったのではないかと思っています。これまでは、こういった攻めの幅がないため、相手の中心が外れず常に打っても喉を突かれるというのが多かったようです。
2007年10月25日木曜日
10月24日稽古 先々の先
正直、ここ最近までは「剣道時代」なんて、購入どころか読むこともありませんでした。勝負(だけの)剣道をずっと続けてきてきたことの裏返しで、剣の理法といった深い話など興味も無ければ、到底理解できませんでした。ところがここに来て、毎月のこれら剣道雑誌を楽しみにし、ページの隅から隅まで読むようになりました。心に響いたり、大事だと思ったフレーズには黄色の蛍光マーカーまで入ってます。
前置きが長くなってしまいましたが、その剣道時代11月号で「先大全」と称し「先」についての重要性が記されていました。その中で、今実践している剣道に大きな欠落があることが判明。
「先」の解釈は様々だそうですが、一般的には、仕掛け技となる「先々の先」、相打ち技となる「先」、応じ技となる「後の先」の3つに分類されています。その中で「先々の先」に対する意識が非常に薄く実践できていませんでした。
相手の出ばなが最高の打突の機会という観点から、それを作り出すことのみに執着していましたが、やっぱりそれでは攻めの幅がとても小さいですね。もっと「先々の先」で技を仕掛けていく必要を再認しました。
よって、今回の稽古では、攻めても相手が出てこない、或いは動じないとなれば、相手の剣つまり中心を制して乗っていくという攻めを実践してみました。バタバタ無駄打ちをするというのとだけは混同しないよう、相手を確実に崩して打突していきます。
結果、感触としては、これまで以上に相手に脅威を感じさせることができ、お互いの関係がピリピリとしていい稽古になったと思います。
H先生より、左足が開いてしまいいているとの指摘がありました。気をつけます。
2007年10月24日水曜日
2007年10月22日月曜日
10月17, 20, 21日の稽古 先生方からのアドバイス
この3回の稽古では、依然として正しい構えとその構えからの一拍子の正しい打突を意識して稽古しました。面を打ったときの左足の引きつけ。
ところが、ここにきて先生方にいつも以上に多くの注意・アドバイスを頂きました。
- ・打ちが一拍子になっていない。六段昇段審査直前は、きれいに一拍子で打てていたようだが・・・。 (S先生)
- ・受けることが多い。(S先生)
- ・いとも簡単に返されるような気の入っていない面打ちでは無駄。(M先生)
- ・その場で打っていることが多かった。 (H先生)
三名の七段の先生方から頂いたアドバイスでしたが、原因として共通していることを自分なりに気づいています。どうも最近、形を気にしすぎるがゆえに、相手との関係つまり攻めに対する緊張感が薄れているようです。
先生方との稽古ではもっと大事な「攻め」というのに気を集中させていこうと思います。とはいえ、正しい形を意識しないとそれこそ何の進歩もありません。基本稽古、下の者との稽古ではこれまで以上にそれを意識しながら稽古し、地盤を固めようと思います。本来、体が覚えるくらいまでみっちり基本稽古で鍛え上げるのがいいのでしょうが、週2回ではそもそも稽古回数が不十分ですね。工夫の中でそれをカバーするのが常々の”意識”なんでしょうが、不器用なのか、意識しすぎてもいい稽古できない・・・。難しいです。
2007年10月19日金曜日
8th ASEAN剣道大会後記(3)
インドネシアからは2チーム(A,B)出場しましたが、期待のAチームは予選リーグで大本命のタイAチームと対戦。3-0で力の差を見せつけられ敗退。ベトナムとのもう一戦は勝利していたものの、一位でタイが予選を通過していきました。残念。
ところが、Bチームのほうは薄氷踏む勝利で、決勝トーナメント(4チーム)に勝ち上がり、準決勝でもシンガポール相手に先鋒・次鋒0-2と連敗しながら、そこから3連勝で決勝進出となりました。
決勝進出を果たし、誇らしげに開始礼に望むインドネシアBチーム。
決勝の相手は、奇しくも、インドネシアAチームが敗れたタイAチーム。全力でぶつかったものの、(勝負に対する)力の差見せつけられ、0-5で完敗となりました。
決勝が終わり、抱き合いながら健闘を称えあう両国。日本の試合では味わえない光景ですね。個人戦なんかで終了後、裏でお互いが相互の礼を交わすことはあっても”ハグ”はしませんね。 勢いついて、剣道着脱いで交換し合わなかっただけでもよかったです。
全剣連の先生方とインドネシアチーム。
トーナメント終了後は、昇段審査まで(5段まで)行われました。ほんと2日間大忙しです。
インドネシアからは、一級、2段、3段に約10名トライしました。2段を受けた一名が残念な結果に終わりましたが、その他は全員合格。3段に至っては8名中合格率50%(4名)の中、3名が合格しました。インドネシアの剣道は立派な高段者の先生方に支えられ正しい剣道を行っていることの表れだと理解しました。一方、裏を返せば、タイやシンガポールなど毎年のように昇段審査を行えるFIK加盟国に比べ昇段審査の機会が限られてしまっているがゆえ、本来受けるべき段位より遅れているとも考えられます。
今回3段に合格した3名が、これまで以上にインドネシア剣道を引っ張っていって欲しいものです。
昇段審査終了後は合同稽古。昨日も大会日程完了後に合同稽古が行われましたので、審判講習会時と合わせて3度も大先生方との貴重な稽古をお願いすることができました。
今日は小久保先生にお願いしました。とても温かみのある剣道という印象で、こちらがたまたま当たった際には、笑顔&大きな声で「参りました」とのお言葉を頂いたのが心に残りました。稽古後も温かいお言葉を頂きました。年をとっても、高位になっても、むしろそうなればなるほど、先生のように謙虚な姿勢というものを大切にされている方、心から尊敬します。
かみさんが最終日の稽古をビデオ撮影してくれました。小久保先生(左)と。
林先生(左)の構え。 相手は私ではありません。先生との稽古は大人気なので、初日の一回しかできませんでした。
8th ASEAN剣道大会後記(2)
開会式は長かった。会の中で剣道とは何かという説明まであったり、デモンストレーションとして、素振りや小中学生の3人制団体戦まで行われ・・・。半分くらいタイ語だったというのも長く感じた一因。もう一つの原因は会場のムンムンとした暑さ。エアコンなしだし、ジャカルタに比べてなんと湿度の高いことか。
こんな感じで各国入場してきました。出場国はタイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ブルネイ・ダルサラームの6カ国です。因みにASEANってどんな国々って調べてみたところ、他にラオス・カンボジア・フィリピン・ミャンマーの計10カ国だそうです。参加しているのはそのなかでも金持ち国ということですかね。インドネシアは日本人の補助などにより多少無理していますが。社会主義国ベトナムはどうなんでしょう?
プラカード持ちの学生さんたちがスカートをえらく下の位置(ヒップの位置)で着こなしていたのが、日本人の中年層の中でもっぱら目を引いているようでした。各国いろんな流行があるんですね。
右から、志井先生(タイ剣道クラブ)、林先生、馬場先生、小久保先生、佐藤義則八段。
初日は、女子・男子の個人戦及び女子の団体戦。
女子個人戦。インドネシアからは二人が出場しましたが両者とも予選リーグで敗退。
男子個人戦はインドネシアから10名の出場。4名が予選リーグを突破しベスト16に勝ち上がり、その内3名がベスト8となりましたが残念ながらそこまで・・・。メダルを取り損ねてしまいました。上位はタイの選手が占めていたようです。彼ら元気よくて素早いのは大いに結構ですが、どうも似たような剣風で、まさに九州の高校生(今はどうか知りませんが、少なくとも私の時代)を真似したのではないかというような剣道。小手を打った後の竹刀の動き(反動)がとても大きく、引き上げた竹刀の先端が極端に言えば床に着くかと思うくらい・・・。こんな剣道をする勝負強い若い日本人剣士がいて、それを真似した結果それが定着してしまったんでしょうね。負け惜しみはともかく、タイの勝負強さは他国を寄せつけない感じでした。
2007年10月18日木曜日
8th ASEAN剣道大会後記(1)
10月13, 14日にタイ、バンコクで第8回ASEAN剣道大会が開催されました。インドネシアからも総勢14名を引きつれ、バンコクに乗り込みました。
本大会のために、全剣連より林邦夫範士八段、馬場勇治教士八段、小久保昇治教士八段が日本より派遣されました。林先生は、明治村剣道大会のビデオでその剣道を拝見してますが、私にとって憧れの剣道家の一人です。
10月12日。大会を前に審判講習会が開催されました。日本大使館の中の多目的ホールと称される一室で実施されました。因みに多目的とは名ばかりで、床のできばえ、大きさ等から、明らかに剣道を中心とした武道のために設置されているホールのようで、エアコンも完備され快適な稽古場でした。本ASEAN剣道大会は特別に審判員として高段者を日本から数多く連れてくるわけにはいかないので、各出場国から同行される五段以上の先生方の協力にて審判員が構成されます。私を含め、該当の先生方は海外に居るがゆえに、実際に審判をしたり講習会に参加する機会限られています。よってこういう機会を設けるものとなったものと思います。
林先生が主任講師として講習が始まりました。審判講習会そのものを受講したことのない私にとって何から何まで目から鱗の落ちる指導ばかりで、実に勉強になりました。その中で頂いたコメントを列挙します。
1.入退場(審判交代)の方法
副審が所定の位置から中央へ戻るため指導すると同時に、次の三人の審判員はコートの外側に沿って入場する。その際、位置確認のためきょろきょろコート中央線を見る必要の無い様、先頭の副審はどこで停止するか試合前に、試し歩きをすることによって大方の歩数を確認するのが望ましい。相互の礼の後、副審は開始線の”内側”を通り、真っ直ぐ所定の位置へ進む。
2.審判の位置
基本の位置は、コートラインより約1mの位置。二等辺三角形の頂角部に主審が位置するわけだが、ポイントは副審の位置。副審は手前側の競技者の突垂れが見える位置に立つことが肝要で、すなわち形成する二等辺三角形の頂角は思っている以上に鋭角になる。主審が常に両競技者を一番見やすいセンターに位置し、素早い動きで両副審をリードする。また、競技者の癖をすぐ見抜き素早い動きを心がける。例えば、右回りに対しては、右横に動くのではなく右前方に”切り込み”ながら移動すると最短距離で移動できる。
3.審判の姿勢
・審判旗は垂直に地を突き刺すように持つ。端部は掌に隠れるようにする。常に背筋を伸ばす。
・引き分けの表示は、横から両旗を持ってくるのではなく、前方より交差させる。
4.反則について
・場外、竹刀離しといった明らかな反則以外は、原則として合議により確認をとった上で判定する。
・主審はその場で反則を宣告する(前に動かない)。主審が反則を宣告したら副審は直ちに表示を解除する。
5.有効打突
講習の中でこれが一番難しく時間を要したが、最も重要な事項である。有効打突と思われるのに旗が上がらなかったり、微妙な判定については、審判員に理由を聞き、廻りの講習生に多数決をとるということでその正しいジャッジというものを確認していった。
・有効打突には、その名のとおり有効であればよく、完全な技でなくとも約70%~100%の幅があり、その許容範囲に収まれば一本となり得る。
・競技者のレベルに応じた判定を行う。
・一本としない打突には必ず明確な理由を伴う(打突の軽度、位置)。物内の部分にも有効範囲、許容範囲が存在する。特に小手は竹刀の先端であっても一本である。むしろ先端でなくては小手は捉えられない。
6.その他
・いかなる場合にも副審は、発生する権限を持っていない。
・副審は、自分の側の競技者の着装・竹刀を常にチェックする。中結いが深く入りすぎている竹刀は、適切な位置に移動させても必ず緩んでしまうので、中結いを締め直すか、竹刀自体を交換する。
さて、審判講習会の後は、大(だい)先生方と稽古会が行われました。この機会を逃すわけにはいかずと、すかさず林先生に稽古をお願いいたしました。
構えた際、目の力、剣先の力を感じました。また、受けたら必ず返すということを徹底されておられたのが印象的でした。あの力みの無いスーッとした構えに少しでも近づければとイメージを頭に叩き込んできました。
2007年10月4日木曜日
10月3日 腰の入り
9/29も稽古しましたが、ブログサボってしまいました。
2007年9月27日木曜日
攻め足
1.相手が誘われて前に出てきたら、その瞬間を出ばな面、或いは小手に出る(相手が小手であれば小手-面)。
2.相手が下がれば、左足をすぐ引きつけ相手を追いやる。あるいはそのまま面に飛び込む。
3.相手が全く動じなければ中心をとって突き。
という攻め方です。
これら大きく3つの選択肢の中から選んでいる状態が所謂”溜め”ではないかと感じています。
この攻め足はこれまでもずっと実践してきましたが、加えて、正しい姿勢での打突、つまり踏み込み足を上げすぎないこと、腰をしっかり入れることを徹底するようにしています。
物理的に見ても、この先の攻めが無い状態で、相手が先に動いたのであわてて合わせて出ばなを狙っても、よほどの実力差が無い限り、先に動いたほうに乗られ打ち遅れます。正しい構えを目指すようになって以来、いろいろな重心移動の方法を試してみてますが、今のところ、先の攻め(誘い)無い状態から一瞬にして一拍子で前方へ打ち出し、相手に打ち勝つというのは極めて困難という結論です。この攻め(足)を出していない瞬間というのは、常に後の先でいつでも返せるという状態を保つということでしょうか。
攻め方、つまり右足の出し方には、短く、長く、早く、ゆっくりなどバリエーションをもたせることも必要でしょう。また右足を出す際に、左腰始動で右足を動かすイメージも重要ですではないでしょうか。
最後に、この攻め足で攻める際には、物理的に前に出るだけでなく、気でもって相手を動かす訓練をしていきたいと思います。
2007年9月24日月曜日
本日の稽古 9月24日
確かに上手く打突することはできていましたが、ビデオで観察したわけでないのでどの程度正しい体勢での打突かは分からりません。但し、意識は常に前回のビデオ撮影で得た反省点を克服することを心掛けていました。この意識の中で稽古を再度ビデオ撮影し、自分の姿を確認したいと思います。
2007年9月20日木曜日
9月19日の稽古
本日の稽古前に、前回の稽古で撮影してもらったビデオをじっくり観察しました。結果、全ての面打ちにおいて、
1.踏み込みの際の右足が上方に上がりすぎている。
2.打突の瞬間腰が引けて、手だけが伸びていっている。
3.手が部位を捕らえて、その後、右足で踏み込んでいる(足が遅れている)
これらは、特に相面を狙ったとき顕著で、相手より早く部位を捕らえることのみに執着した結果と言えます。これでは、腰の入った本当の打突は望めないと分かりました。理想とは大いに違いショックだったのと同時に、矯正するにはかなり時間を要することも覚悟しました。
飛び込み面を打ち込んでいるときの連続写真。右足が上がり過ぎている。その割りに足が手前に落ちて前には進んでいない。左足の引き付けも無い。
相面を打っているときの連続写真。腰が残ってへっぴり腰。 (右)
これらを悪癖を矯正することを念頭に本日の稽古を行いました。
腰から始動すること、つまり始動の際は上半身が先に行かないように心がけました。早く当てたいの何としても押し殺すことに徹底しました。
さすがによく相手に打たれました。S先生との稽古では相面は殆ど負けました。次の課題は、この正しい打突の意識を持ったまま、如何に相手より勝った打突ができるかです。つまり正しい打突+理にかなった攻め。今日の反省として、面ばかりにこだわりすぎてたことが挙げられます。正しい面打ちが当面の目標ですが、地稽古ではなんの攻めも無しにそんな素晴らしい面打ちがポンポンと打ち込めるはずはないですね。ただでさえ不慣れな腰の入った面打ちを心がけているのに、さらに面ばかりでは相手に丸分かりでした。小手、胴、突き、応じ技を交え、相手に四戒を与えれるもう一歩上の攻めを研究したいとおもいます。言うわ易し、行なうは難き。
2007年9月17日月曜日
9月15日 本日の稽古
よって、限られた時間で効率よく向上するための一助とすべく、日頃稽古で感じたことをブログにすることにしました。頭の中で考えていることを改めて文章にすることで整理でき、記憶できる効果も期待しています。
9月15日 場所:スカイライン道場
現在持っているテーマは「正しい面打ち」。つまり「左腰の入った一拍子の面打ち」。なんせこれができれば達人でしょうから、おそらくこのテーマは永遠に続くと思います。
さて、本日の稽古で心がけたことは、左の足首を使いすぎないこと。どうしても遠くへ飛ぼうとするあまり、左足首を使って飛ぼうとすると、動きが2拍子になり、いざという時に瞬時に前に出れない。居ついてしまう。よって、左足首でなく、股関節を意識して踏み込むようにしました。左足首を使ってジャンブするのではなく、歩くときに自然と右足を出すようにスーと自然に重心移動できるように。懸待一致の構え。
本日は、かみさんにビデオを撮影してもらいました。面を打ったとき、早く当てようとするあまりまだまだ腰が残って手と右足だけが前にいったような体勢が見受けられました。打たれることを一切気にしないようにしなければ。 詳細は次回の投稿で。
構えで気になったのは、上半身においてまだ少し背中が丸まってました(左)。
2007年8月30日木曜日
昇段審査
5年近く前の2002年11月、名古屋で行われた六段昇段審査。五段までストレートで合格してきたので最も若い受験者として受験しましたが敢え無く不合格。内容は、一人目が自分と同様の最若手とガチャガチャ打ち合って良いところ無し。二人目は相手が女性で一人目の不甲斐なさを取り戻そうとしてむしろ最悪の内容でした。不運にも、その後海外赴任が決まり、稽古も十分にできない時期もあり、わざわざ昇段審査を受けに帰国する勇気も無い状態が続いていました。ここ最近稽古環境に恵まれ、十分稽古してきたので受審に踏み切りましたが、今回の昇段審査はそれ以来ということになります。
さて、結果は合格。8.6%(78人/912人)の合格率でした。非常に厳しい合格率の中、212Bという合格の番号を見たときは感慨無量でした。
http://www.kendo.or.jp/competition/judgment/2007_natsu-fukuoka-kendo6.html
8月26日。朝5時に起床して、一汗かいて体をほぐすため早朝より稽古しました。実は、朝起きた際それほど体調はよくありませんでした。ジャカルタから引きずっていた風邪(咳)も少々残っていました。前夜、早く寝ようとしましたがやっぱり緊張で早く床につくことができず、結構な量の酒を飲んだ上で23時まで起きていましたので、微量の酒も残っている感がありました。にもかかわらず、計画通り、起床後すぐに剣道5段の父を連れ、近くの山中へ車で移動。何とうっかり父が小手を持ってくるのを忘れたので、小手打ちができませんでしたが、切り返し、面打ち、面の連続打込みを息が乱れるまで行いました。審査は9時から受付なので、8時自宅出発まで約一時間仮眠を取りました。
第2会場受付番号146。この番号をもって次は受験番号をもらいにいきました。受験番号は212B。第2会場の12組目。1組4名(A,B,C,D)が、A-B, B-C, C-D, D-Aという順で審査を受けますので46人目でした。何と212Aは会社の同僚。2回のうち1回は同僚と対戦することになってしまいました。その同僚はこれまで対戦したことがありますが非常にやりにくい剣道家の一人です。912人いて知り合いは5~6人なのによりによって何とも不幸な巡りあわせか。
212Aとの対戦。蹲踞から立ち上がり、予定では相手が発声をした後に倍の発声を見せようと思っていたら、何と相手が声も出しません。しょうがないので、まずは思いっきり声を出し審査開始となりました。大事な初太刀は相面となりました。それ以降具体的な打突は覚えていませんが、あっという間に終わり、見せ場無く終わってしまったという感想でした。
すぐさま212Cとの対戦。一人目納得いかなかったのですが、5年前の失敗を省みるように、立会いに入る直前は、平常心を保つことを唱えておりました。まず、これ以上出ない大きな声を出し、大事な初太刀に備えました。相手が面を打ってきたところを無意識の出小手でした。小手自体は完璧なものではなかったですが、しっかり打ち切った小手、左腰の入った小手であったので、体当たりで相手が吹っ飛びひっくり返ってしまいました。その後は相面で2本いい形のものが出たというのを覚えています。
傍らで見ていた父や知人曰く、二人目の相手を倒した初太刀は非常に好印象だったといってくれました。自分としては、これは偶然の産物ではなく事前の心構えが現れた結果だと自負しています。実は、審査を望み以下の心構えを事前に記していました。
構え
1.左の意識(左足、左腰、左手)。
2.我上位なり。いつでも来いの気位。
初太刀
1.相手の発声後、倍の発声。
2.捨て身で打ち切る。
立会い中
1.気の縁を切らない(打突後必ず相手に構える)
2.絶対に下がらない
そういえば、審査員6名の中には高校の大先輩である角先生や大阪の石田先生がいらっしゃいました。
全実技審査合格者のうち、早く結果の分かった36名がまず、別に設けられているコートで剣道形の審査を行いました。8名づつが打太刀・仕太刀に分けられ、審査員2名の前で演舞しました。剣道形の準備はしてきたのでことさら不安はありませんでしたが、驚いたのは合格基準の甘さでした。明らかな間違えをしている方もいましたが、結果全員合格と発表されました。審査員2名で8名の受験者を審査するので、たまたま間違えを見ていなかったと思うのですが、特に1名、ひどい剣道形をする人が合格しておりました。
次の七段受験まであと6年と先は長いですが、この六段受験に際し心がけたもの及び緊張感を継続し、自分の剣道を更に発展させていきたいと思います。
2007年6月14日木曜日
実戦剣道DVDの購入
毎月購読の剣道誌「剣道時代」の広告をみてインターネットで購入したのですが、小林範士が指導・解説とあって思わず衝動買いしてしまいました。というのも、小林範士は剣道の試合では最高峰とされる明治村大会(現在は八段選抜大会に変更)でも大活躍をされた方で、それを映像で拝見して以来大ファンとなりました。同じ八段という最高の段位でも様々なタイプの剣道家がいます。そういった様々なタイプの中でも、映像でしか見たことありませんが、自分の目標とすべき先生の中の一人としています。
更には、どうやらカメラの左下に、範士が事前作成されたカンペがあるようで、解説の途中あるいは、次のテーマに移るときなど、どうしても目線がそちらのほうへ。これもまた、編集を使えば、テーマごと或いはスムーズに解説できる範囲ごとに区切って、いかようにも美しく提供できると思うのですが。
などなど、上手く編集すれば、一枚のDVDに収まったのでは・・・。まんまと商売に引っかかったのでしょうか。
編集方法のダメ出しばかり多くなりましたが、そういった人間的な暖かい雰囲気も含めて、結局のところ個人的には大満足の一品でした。剣道を愛する方にお薦めします。
投稿が剣道ばかりになってきました。ある同僚から趣味の幅を広げろと言われています。