2007年10月25日木曜日

10月24日稽古 先々の先

一昨日、実家の父から毎月送ってもらっている剣道雑誌雑誌、「剣道時代」「剣道日本」が届いきました。両者を比べると「剣道時代」のほうが読み応えがあり好きですね。極端に違いを表現すれば、「剣道時代」は剣道を極めんとする高段者向け、剣道日本は幅広い剣道人口を対象という印象です。



正直、ここ最近までは「剣道時代」なんて、購入どころか読むこともありませんでした。勝負(だけの)剣道をずっと続けてきてきたことの裏返しで、剣の理法といった深い話など興味も無ければ、到底理解できませんでした。ところがここに来て、毎月のこれら剣道雑誌を楽しみにし、ページの隅から隅まで読むようになりました。心に響いたり、大事だと思ったフレーズには黄色の蛍光マーカーまで入ってます。



前置きが長くなってしまいましたが、その剣道時代11月号で「先大全」と称し「先」についての重要性が記されていました。その中で、今実践している剣道に大きな欠落があることが判明。



「先」の解釈は様々だそうですが、一般的には、仕掛け技となる「先々の先」、相打ち技となる「先」、応じ技となる「後の先」の3つに分類されています。その中で「先々の先」に対する意識が非常に薄く実践できていませんでした。



相手の出ばなが最高の打突の機会という観点から、それを作り出すことのみに執着していましたが、やっぱりそれでは攻めの幅がとても小さいですね。もっと「先々の先」で技を仕掛けていく必要を再認しました。

よって、今回の稽古では、攻めても相手が出てこない、或いは動じないとなれば、相手の剣つまり中心を制して乗っていくという攻めを実践してみました。バタバタ無駄打ちをするというのとだけは混同しないよう、相手を確実に崩して打突していきます。

結果、感触としては、これまで以上に相手に脅威を感じさせることができ、お互いの関係がピリピリとしていい稽古になったと思います。

H先生より、左足が開いてしまいいているとの指摘がありました。気をつけます。

2007年10月24日水曜日

ASEAN大会 ジャカルタ新聞に掲載

ASEAN大会の模様が地元の日本人向け新聞「ジャカルタ新聞」に掲載されました。

2007年10月22日月曜日

10月17, 20, 21日の稽古 先生方からのアドバイス

ASEAN大会について書くのに忙しく、ジャカルタに帰ってきて以来一週間の間に3度稽古やったにもかかわらず、投稿できませんでした。

この3回の稽古では、依然として正しい構えとその構えからの一拍子の正しい打突を意識して稽古しました。面を打ったときの左足の引きつけ。

ところが、ここにきて先生方にいつも以上に多くの注意・アドバイスを頂きました。


  • ・打ちが一拍子になっていない。六段昇段審査直前は、きれいに一拍子で打てていたようだが・・・。 (S先生)
  • ・受けることが多い。(S先生)
  • ・いとも簡単に返されるような気の入っていない面打ちでは無駄。(M先生)
  • ・その場で打っていることが多かった。 (H先生)


三名の七段の先生方から頂いたアドバイスでしたが、原因として共通していることを自分なりに気づいています。どうも最近、形を気にしすぎるがゆえに、相手との関係つまり攻めに対する緊張感が薄れているようです。

先生方との稽古ではもっと大事な「攻め」というのに気を集中させていこうと思います。とはいえ、正しい形を意識しないとそれこそ何の進歩もありません。基本稽古、下の者との稽古ではこれまで以上にそれを意識しながら稽古し、地盤を固めようと思います。本来、体が覚えるくらいまでみっちり基本稽古で鍛え上げるのがいいのでしょうが、週2回ではそもそも稽古回数が不十分ですね。工夫の中でそれをカバーするのが常々の”意識”なんでしょうが、不器用なのか、意識しすぎてもいい稽古できない・・・。難しいです。

2007年10月19日金曜日

8th ASEAN剣道大会後記(3)

大会2日目。男子団体戦です。

インドネシアからは2チーム(A,B)出場しましたが、期待のAチームは予選リーグで大本命のタイAチームと対戦。3-0で力の差を見せつけられ敗退。ベトナムとのもう一戦は勝利していたものの、一位でタイが予選を通過していきました。残念。

ところが、Bチームのほうは薄氷踏む勝利で、決勝トーナメント(4チーム)に勝ち上がり、準決勝でもシンガポール相手に先鋒・次鋒0-2と連敗しながら、そこから3連勝で決勝進出となりました。





決勝進出を果たし、誇らしげに開始礼に望むインドネシアBチーム。


決勝の相手は、奇しくも、インドネシアAチームが敗れたタイAチーム。全力でぶつかったものの、(勝負に対する)力の差見せつけられ、0-5で完敗となりました。


決勝が終わり、抱き合いながら健闘を称えあう両国。日本の試合では味わえない光景ですね。個人戦なんかで終了後、裏でお互いが相互の礼を交わすことはあっても”ハグ”はしませんね。 勢いついて、剣道着脱いで交換し合わなかっただけでもよかったです。





全剣連の先生方とインドネシアチーム。





トーナメント終了後は、昇段審査まで(5段まで)行われました。ほんと2日間大忙しです。

インドネシアからは、一級、2段、3段に約10名トライしました。2段を受けた一名が残念な結果に終わりましたが、その他は全員合格。3段に至っては8名中合格率50%(4名)の中、3名が合格しました。インドネシアの剣道は立派な高段者の先生方に支えられ正しい剣道を行っていることの表れだと理解しました。一方、裏を返せば、タイやシンガポールなど毎年のように昇段審査を行えるFIK加盟国に比べ昇段審査の機会が限られてしまっているがゆえ、本来受けるべき段位より遅れているとも考えられます。

今回3段に合格した3名が、これまで以上にインドネシア剣道を引っ張っていって欲しいものです。



昇段審査終了後は合同稽古。昨日も大会日程完了後に合同稽古が行われましたので、審判講習会時と合わせて3度も大先生方との貴重な稽古をお願いすることができました。


今日は小久保先生にお願いしました。とても温かみのある剣道という印象で、こちらがたまたま当たった際には、笑顔&大きな声で「参りました」とのお言葉を頂いたのが心に残りました。稽古後も温かいお言葉を頂きました。年をとっても、高位になっても、むしろそうなればなるほど、先生のように謙虚な姿勢というものを大切にされている方、心から尊敬します。






かみさんが最終日の稽古をビデオ撮影してくれました。小久保先生(左)と。








林先生(左)の構え。 相手は私ではありません。先生との稽古は大人気なので、初日の一回しかできませんでした。





8th ASEAN剣道大会後記(2)

10月13日、大会初日。


開会式は長かった。会の中で剣道とは何かという説明まであったり、デモンストレーションとして、素振りや小中学生の3人制団体戦まで行われ・・・。半分くらいタイ語だったというのも長く感じた一因。もう一つの原因は会場のムンムンとした暑さ。エアコンなしだし、ジャカルタに比べてなんと湿度の高いことか。




こんな感じで各国入場してきました。出場国はタイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ブルネイ・ダルサラームの6カ国です。因みにASEANってどんな国々って調べてみたところ、他にラオス・カンボジア・フィリピン・ミャンマーの計10カ国だそうです。参加しているのはそのなかでも金持ち国ということですかね。インドネシアは日本人の補助などにより多少無理していますが。社会主義国ベトナムはどうなんでしょう?



プラカード持ちの学生さんたちがスカートをえらく下の位置(ヒップの位置)で着こなしていたのが、日本人の中年層の中でもっぱら目を引いているようでした。各国いろんな流行があるんですね。




右から、志井先生(タイ剣道クラブ)、林先生、馬場先生、小久保先生、佐藤義則八段。



初日は、女子・男子の個人戦及び女子の団体戦。


女子個人戦。インドネシアからは二人が出場しましたが両者とも予選リーグで敗退。


男子個人戦はインドネシアから10名の出場。4名が予選リーグを突破しベスト16に勝ち上がり、その内3名がベスト8となりましたが残念ながらそこまで・・・。メダルを取り損ねてしまいました。上位はタイの選手が占めていたようです。彼ら元気よくて素早いのは大いに結構ですが、どうも似たような剣風で、まさに九州の高校生(今はどうか知りませんが、少なくとも私の時代)を真似したのではないかというような剣道。小手を打った後の竹刀の動き(反動)がとても大きく、引き上げた竹刀の先端が極端に言えば床に着くかと思うくらい・・・。こんな剣道をする勝負強い若い日本人剣士がいて、それを真似した結果それが定着してしまったんでしょうね。負け惜しみはともかく、タイの勝負強さは他国を寄せつけない感じでした。

2007年10月18日木曜日

8th ASEAN剣道大会後記(1)


10月13, 14日にタイ、バンコクで第8回ASEAN剣道大会が開催されました。インドネシアからも総勢14名を引きつれ、バンコクに乗り込みました。



本大会のために、全剣連より林邦夫範士八段、馬場勇治教士八段、小久保昇治教士八段が日本より派遣されました。林先生は、明治村剣道大会のビデオでその剣道を拝見してますが、私にとって憧れの剣道家の一人です。

10月12日。大会を前に審判講習会が開催されました。日本大使館の中の多目的ホールと称される一室で実施されました。因みに多目的とは名ばかりで、床のできばえ、大きさ等から、明らかに剣道を中心とした武道のために設置されているホールのようで、エアコンも完備され快適な稽古場でした。本ASEAN剣道大会は特別に審判員として高段者を日本から数多く連れてくるわけにはいかないので、各出場国から同行される五段以上の先生方の協力にて審判員が構成されます。私を含め、該当の先生方は海外に居るがゆえに、実際に審判をしたり講習会に参加する機会限られています。よってこういう機会を設けるものとなったものと思います。

林先生が主任講師として講習が始まりました。審判講習会そのものを受講したことのない私にとって何から何まで目から鱗の落ちる指導ばかりで、実に勉強になりました。その中で頂いたコメントを列挙します。


1.入退場(審判交代)の方法

副審が所定の位置から中央へ戻るため指導すると同時に、次の三人の審判員はコートの外側に沿って入場する。その際、位置確認のためきょろきょろコート中央線を見る必要の無い様、先頭の副審はどこで停止するか試合前に、試し歩きをすることによって大方の歩数を確認するのが望ましい。相互の礼の後、副審は開始線の”内側”を通り、真っ直ぐ所定の位置へ進む。

2.審判の位置
基本の位置は、コートラインより約1mの位置。二等辺三角形の頂角部に主審が位置するわけだが、ポイントは副審の位置。副審は手前側の競技者の突垂れが見える位置に立つことが肝要で、すなわち形成する二等辺三角形の頂角は思っている以上に鋭角になる。主審が常に両競技者を一番見やすいセンターに位置し、素早い動きで両副審をリードする。また、競技者の癖をすぐ見抜き素早い動きを心がける。例えば、右回りに対しては、右横に動くのではなく右前方に”切り込み”ながら移動すると最短距離で移動できる。

3.審判の姿勢
・審判旗は垂直に地を突き刺すように持つ。端部は掌に隠れるようにする。常に背筋を伸ばす。
・引き分けの表示は、横から両旗を持ってくるのではなく、前方より交差させる。

4.反則について
・場外、竹刀離しといった明らかな反則以外は、原則として合議により確認をとった上で判定する。
・主審はその場で反則を宣告する(前に動かない)。主審が反則を宣告したら副審は直ちに表示を解除する。

5.有効打突
講習の中でこれが一番難しく時間を要したが、最も重要な事項である。有効打突と思われるのに旗が上がらなかったり、微妙な判定については、審判員に理由を聞き、廻りの講習生に多数決をとるということでその正しいジャッジというものを確認していった。

・有効打突には、その名のとおり有効であればよく、完全な技でなくとも約70%~100%の幅があり、その許容範囲に収まれば一本となり得る。
・競技者のレベルに応じた判定を行う。
・一本としない打突には必ず明確な理由を伴う(打突の軽度、位置)。物内の部分にも有効範囲、許容範囲が存在する。特に小手は竹刀の先端であっても一本である。むしろ先端でなくては小手は捉えられない。


6.その他
・いかなる場合にも副審は、発生する権限を持っていない。
・副審は、自分の側の競技者の着装・竹刀を常にチェックする。中結いが深く入りすぎている竹刀は、適切な位置に移動させても必ず緩んでしまうので、中結いを締め直すか、竹刀自体を交換する。


さて、審判講習会の後は、大(だい)先生方と稽古会が行われました。この機会を逃すわけにはいかずと、すかさず林先生に稽古をお願いいたしました。

構えた際、目の力、剣先の力を感じました。また、受けたら必ず返すということを徹底されておられたのが印象的でした。あの力みの無いスーッとした構えに少しでも近づければとイメージを頭に叩き込んできました。

2007年10月4日木曜日

10月3日 腰の入り

今日の稽古で腰の入りを少し実感できたような気がしました。出ばな面を打つ際、これまで上から被せるように当てにいっていたので腰がくの字に前傾してしまってました。それを改善するため、むしろ下から突き上げ気味に体を反るイメージで腰を入れるようにします。反るという極端なイメージくらいから始めてちょうど良いようです。何本かいいイメージで、素早くかつ腰の入った打ちができたように思います。

9/29も稽古しましたが、ブログサボってしまいました。