2008年2月18日月曜日

Keiko in Bandung

11月に続きまして、2/16・17に定例のバンドン稽古会が行われました。

今回は両日ともにヨリス道場。バンドン剣士の中で有段者クラス約6~7名に女性や初心者の学生も含めて総勢15名程度での稽古会となりました。

初日

基本稽古は、私なりのメニューでリードさせていただくことになりました。面に対して・小手に対しての応じ技に力を入れて指導しました。応じ技で最も必要なのは先をかけるということ、誘い出して相手を引き出すということ。今の自分の課題でもありますが、そこを特に伝えたつもりです。しっかり理解してくれていればと期待します。「返し胴がどうしても遅れてしまい相手が通り過ぎた後で当たってしまう、どうしてですか?」なんていう素朴な質問がありました。一つは、先を掛ける行為の欠落と考えその重要性を再度念押し。もう一つは手の内・手の返しが悪いこと。こればっかりは一朝一夕でどうなるといった代物では無いですが、「切返し」にこれを向上する要素が詰まっている旨伝えました。繰り返しやることで少しずつ柔らかく、強く、早くなるでしょうと。

ここでも香港カップに向けた試合稽古を行いました。バンドンの剣士たちも、日本人同士の試合は殆ど見ていないでしょうから、見取り稽古としてはとてもいい機会だったと思います。個人的には強敵S松さんとでした。一度完全に手元を上げさせられ、たまたま深く入り小手の部位には当たりませんでしたが、あれは虚を付かれました。打たれまいとする心の動き、相手に先を取られた瞬間でした。いい反省材料でした。

二日目

夜の懇親会上でのS村先生の提案により、各先生でテーマ毎に指導を行うということになりました。

まずは、効果的な素振りについてS村先生より指導。天の星を突き刺す或いは、杭を引き抜く心持ちにて右上段まで素早く振り上げそして振り下ろす。相手を想定して気を合わせて素早く振る訓練のため、先生が振り上げ始めた瞬間にそれをよく観察し後れずに追従する。とても面白い素振りの方法でした。




次に礼法についてK川先生より。何より先に履物の並べ方から。








整理良く並べることは勿論ですが、出る時に備えて反対にしておくことなんて日本だけの文化なのでしょうか?なんて思ったりしました。

そして切返しをH田先生より。昨日も切返しの重要性については指導しましたが、それをより具体的に指導していただきました。大強速軽の打ち。呼吸法。上体が上下しない安定した足裁き。もの打ちで正確に打つための相手との間合い。「切返し」により期待される効果をより効果的に発揮させるためのレクチャーでした。

私は小手打ちを担当しました。というのも11月にS村先生が「面打ち特集」なる面白い企画をやって頂き、次は小手だという話が出てました。私なりの小手理論を展開。(皆さん何かご意見あればお願いします。)

まず、何もアドバイスせず小手打ちをやってもらいました。やっぱり、面打ちと全く同じ足裁き、腕使いでもって大きく打ち抜いていました。初心者のうちはそれでもいいのかもしれませんが、上級者になればその違いを知る必要があると思います。英語でのつたない説明につきどこまで正確に伝わったかは自信ないものの、”面打ちと小手打ちは違う”という内容を中心に説明。

1.目的の違いより
面は、相手を脳天から一刀両断、切り殺す。小手は殺傷することはできないものの手の自由を奪い相手を戦闘不能にする。よって面は大きく強く切り落とさねばならず、打突後も体全体を使いしっかり打ち抜く。一方、小手打ちにその必要は無く小さく鋭く打ち込む。点で打つイメージで、打突後ポンと手首を使って引き上げ、次の打突に備えた体勢をとる。左足の引きつけが冴えのポイント。

2.距離の違いより
手前かつ下にあることで面より近い位置にある。足の踏み込みは(面より)小さく鋭くすることにより、上半身の動きとピタリと合い冴えを生む。面と同じ踏み込みイメージでは手が先に当たり冴えがでない。腕の使いも、距離が近い故に面のようにしっかり腕を伸ばす必要は無く、多少肘に余裕を持たせて手首を中心にシャープに打つイメージ。

なんてことを説明後、表から及び裏からの小手うち。続いて小手を打ち切った後そのまま面、所謂小手面。その流れで相小手面。

各先生でそれぞれのパートで思い思いの指導があり、とても面白い企画でした。

今日は全メンバーで東西に分かれて試合稽古。H田先生と一戦交えました。研究されているのか、気を見せても剣先が動きません。結果、初太刀から突きに行きましたが敢え無く外れ、その後も攻め倦みました。






そんな楽しい稽古会も終り、恒例ではありますがヨリスさん宅で昼をご馳走になりました。ヨリスさん、いつもありがとうございます。お祝いのときに出されるナシクニン(黄飯)。






加えてこれも恒例ですが、中学生T澤くんのお父様が提供くださるカジキやマグロの刺身。最高でした。

一日目の夜の飲み過ぎによる頭痛も、稽古後には回復しました。そういえば、飲んだ後S村先生とそのあたりの屋台で食べたミーバソッ、これまた最高でした。衛生面は、酔っ払っていた関係上、気にする余裕ありませんでした。

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